2016年1月18日月曜日

バッドED


最近 年をとったせいか衰えを感じる 疲れがとれない 寝る前はいつもアンニュイ気分 布団の中 過去の出来事をよく思い出す
ダーティな青春時代 人生ハードモードな僕は残念ながら 悲しい出来事をよく思い出す

数年前 冬枯れの季節が近づくこの時季に僕は馴染みのイタリアンでハートランドビールをらっぱ飲み 粗野なスタイル プロシュットをつまみホロ酔い気分でカウンターでハイライトを燻らせていた
隣に座っている女の娘二人 奥の席の女の娘とチラチラよく目があった
よく目のあう小柄なその娘は知り合いのアヤちゃんだと僕は気づい
アヤちゃんは小柄で少しお洒落で映画好きな女の娘だ
この手のタイプの娘はフランス映画「アメリ」を押していけば何とかなる と 僕は決め打っている
アヤちゃんは性格も良く 人当たりも良い しかし 弱点があった それは顔面が瀬戸内寂聴そっくりということだ
瀬戸内寂聴さんが悪いんじゃない
20代の女性が瀬戸内寂聴に瓜二つということが少し残念なだけだ
そんな事 気にする事なかれ不幸のギフトは誰だって神様からプレゼントされている

30分後 僕はアヤちゃんの横に座り 軽やかにトークをしていた そうアメリトークをね
やっぱ「アメリ」良いですね ジャン ピエール ジュネ監督ありがとう 軽い映画好き女性には「アメリ」が鉄板だと証明できました アメリ最高
軽めが良いね ギャスパー ノエ監督が大好きなんて言われたら 僕もどっしり腰を据えてお話しなきゃならない 軽めが良いよ 腰なんて振れたら充分

2時間後 映画アメリのおかげもあって 僕はお洒落なフランスのカフェと程遠い田舎町特有の下品なラブホテルの一室にいた
そう瀬戸内寂聴と いやアヤちゃんとピンク色の夜をむかえようとしていた

お酒って凄い アルコールと性欲が混じりあったら瀬戸内寂聴さえも口説き落とせる アヤちゃんなのか寂聴か 僕の理性がわからない

始まりの合図「コンッ」と缶ビールをテーブルに置いてベットに潜る
秘密の夜の二人の情事 男女のインアウト インアウトを始めましょうか
顔を寄せあう そうその時に僕は冷めた それは酔いなのか性なる情熱なのか
目の前に広がるパノラマビューの瀬戸内寂聴 いやアヤちゃん

僕はアヤちゃんをクリア出来なかった 僕のデビルズトロンボーンは男になれなかった そう僕は勃起しなかった
こんな事は初めてだ 「なんでエレクチオンしないのよー」僕は心の中で僕に言った ヤバイ不能の人だ ぞEDヴィアン!池上遼一先生 助けてください!

時間は過ぎていく あせる僕は動けない いや 起たない
せめてもの良心 目をつぶり心の中で紗倉まなちゃんを思い浮かべるのはやめておい
アヤちゃんの顔からは笑顔が消え 冷たい目で僕を見ながら言う

「渇いてきた!」

パノラマビューの瀬戸内寂聴に気圧され 勃起できない僕に突き刺さる
アヤちゃんのプライドを酷く傷つけてしまった
左手は添えるだけ スラムダンク湘北キャプテンの教えを破り 僕はおっぱいから手をはなし パンツを履いた

「濡らしたのも僕やから 別にええやろ?」なんて情けないセリフなんて言えやしない 悪いのは濡らし渇かした僕だ
僕たちの失敗 いや 僕だけの失敗

桃色の夜もこれにて終了 悲しみのフィナーレ
バッドエンディング

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