ことわざの「臭い物には蓋をする」
臭い物に蓋をして隠してしまいたい気持ちは僕も理解できるけど 根本をどうにかしないと隠したと思っているだけで 他に気付かれてるかもしれないし 臭い物がさらに増長して蓋を押し上げる場合もある
一時しのぎはダメだ 嫌でも元からどうにかしないとダメだ 蓋でもダメなら消し去りたい でも社会ではそうもできない事が多い
勤務先のカフェでもデリートしなければいけない臭い物が有る
それはこのカフェのマスターだ
それはこのカフェのマスターだ
いやいやマスターをデリートしたいと 思っているのは数人の女子スタッフであって 僕がデリートしたいのはマスターの口臭ですよ
本当に臭い その悪臭 小動物なら即死するレベルじゃないかな 至近距離なら花も枯れるね たぶん
本当に臭い その悪臭 小動物なら即死するレベルじゃないかな 至近距離なら花も枯れるね たぶん
昔に働いてた女子スタッフヒロコちゃんが店に来た 可愛い子供を抱いて マスターは挨拶がてらにヒロコちゃんの腕に抱かれた赤ちゃんを褒 めた「ヒロコよく似て可愛いね!」
すると抱かれていた赤ちゃんが号泣した ホールに響き渡る鳴き声
すると抱かれていた赤ちゃんが号泣した ホールに響き渡る鳴き声
顔を真っ赤に泣きわめく赤ちゃん うろたえるマスターとヒロコちゃん その様子を見て厨房のスタッフKがつぶやく
「アホが そんな至近距離でマスターのブレスくらったら泣くに決まってるや ん 我が子大事にせなアカンわ」
そう マスターの口臭を嗅いだ赤子が大泣きした 恐るべし口臭兵器
「アホが そんな至近距離でマスターのブレスくらったら泣くに決まってるや
そう マスターの口臭を嗅いだ赤子が大泣きした 恐るべし口臭兵器
過去に僕はマスターの口臭について女子スタッフ数人に相談された 事がある その度に僕は
「 マスターは両親譲りの酷い歯槽膿漏で口臭は仕方ないので優しい目 をよろしく」
「マスターはスカトロジーの嗜好があると噂で聞いた 皆 色んな趣味あるしね」
「話す時に息を止める練習しておくれ」
などと苦しいフォローしていた
「
「マスターはスカトロジーの嗜好があると噂で聞いた 皆 色んな趣味あるしね」
「話す時に息を止める練習しておくれ」
などと苦しいフォローしていた
長年マスターと仕事を共にしていると マスターと話す時に適度な距離を保ち 少し息を止めるのが自然と出来るようになる むしろ出来なければいけない じゃないとまともに会話出来ないからね
赤子をも泣かすほどのマスターの口臭でも流石に成人男性になると 泣きはしない しかし直撃してしまうと軽く嘔吐しそうになる 口臭ホルダーのプロフェッショナル侮れない
うっかり厨房スタッフKは息止め呼吸をよく忘れ マスターの口臭を直撃している そして「オエッ!」と嘔吐するのを耐えている
「ヴィアン君 二日酔いの時マスターのブレスくらったら吐いてしまうかもしれへ ん」厨房スタッフKはゲロを吐きそうな顔で僕に弱音を吐いた
「ヴィアン君 二日酔いの時マスターのブレスくらったら吐いてしまうかもしれへ
本日 厨房スタッフKは二日酔いで出勤しマスターの口臭を深く吸い込み
「オエッ!オエッ!オエッ!オロロッ!」まるで一人カエルの合唱 最後もしかして一口くらいリーバースしたんじゃないかな
「オエッ!オエッ!オエッ!オロロッ!」まるで一人カエルの合唱 最後もしかして一口くらいリーバースしたんじゃないかな
厨房に漂うマスターの口臭 響き渡る「オエッ!オエッ!」のメロディ 清潔な厨房をスタッフKの嘔吐物で汚されるくらいなら
臭いの元をどうにかしないといけない
臭いの元をどうにかしないといけない
臭い者に蓋をしたら窒息死してしまうし 遠回しにブレスケアあげても飲まないし もうストレートに口が臭いと気づかせてあげるしかない
マスターの心が傷つこうがかまわない 僕達の鼻腔の方が傷ついてる
マスターの心が傷つこうがかまわない 僕達の鼻腔の方が傷ついてる
そう今 デリカシーの壁を越える時 僕は言葉のナイフを握りしめ
「それがみんなの為だから」と心で呟いた
「それがみんなの為だから」と心で呟いた