「無知は罪なり、知は空虚なり、英知持つもの英雄なり」
哲学者ソクラテスの言葉ですね
無知は罪ですね と無知な僕が言ってみた
色に欲ならあるのだけれども 知に対する欲なんて 限りなく薄いブルーだし 英知なんて持つ事も出来ない 触れる事すら許されてないね
でも 哲学者の言葉を真剣に考えなくてもいいや
お腹が空いて 考えた時間を「あの時間は何だったのか?」と 哲学しなくてはならなくなるからね
遅い始まりながら 勤勉であろうとする僕は知について求めてみようと思うのです たとえ間違えた解釈だとしても
知識を求めようと数年前から田舎町のカフェの厨房で模索している
知を求めて欲した僕は過去に女子スタッフ アヤノちゃんに意見をもとめた
アヤノちゃんは賢い大学生に通っていて 高い知性を持ち おまけにFカップの乳房まで持っている
「なあ アヤノちゃん賢いやん 僕に何か知識を与えてくれないか 知らない事を埋めて賢くなりたいのよ 知の追求」
僕はアヤノちゃんの大きなオッパイを見ながら言った
「ヴィアンさんの知らない事ですか 何がいいかな」
少し考えてアヤノちゃんは教えてくれた
「私 胸が大きいでしょ 肩がこると思われるんですけど 肩ではなくて肩甲骨がこるんですよね」
さすが知性あるアヤノちゃんだ 僕が喜ぶ単語オッパイまで入れて教えてくれた
巨乳は肩甲骨がこる 新しい知識を手に入れ 僕は賢くなった 間違えたベクトルかも知れないけどね
僕は巨乳ではないので真偽のほどは分からないけど Fカップのアヤノちゃんが言う事なので嘘ではないだろう 巨乳嘘つかない
貪欲に知を欲した僕は厨房スタッフKにも訊いてみる
軽い脳を絞り出して知識を吐き出して貰おう
絞り出た知識の1滴 自信満々に厨房スタッフKは言った
「ハリーポッターの魔法でクルシーヨという魔法があり 魔法がかかると凄く苦しむ ダジャレのような魔法がある」
まさかの映画ネタ 厨房スタッフKの事だからお下品な下ネタだろうな と決め打っていた
そして厨房スタッフKを心底信用していない僕は得た情報をグーグ
やっぱりね 間違えてると思ったよ 君はいつも間違えているもの
「クルシーヨ」ではなくて「クルーシオ」だった
語感的には似ている 聞き間違えても仕方ない「イラマチオ」と「イマラチオ」
知を求めて偽りの情報に惑わされる でも間違えた情報を教えてくれた厨房スタッフKを許そうと思う
職場のトイレで自慰行為にふけり 女子高生スタッフのサラサーティに成りたいと願う厨房スタッフK 存在が痴な人間に知を求めるなんて愚かだ 彼に訊いた僕が悪い
僕を含め ろくな人間がいない厨房 こんな場所で知恵がつく訳がないなと思っている僕の前に一人の男
その男は話を盗み聞きしていた でしゃばり野郎 このカフェのマスターだ
貪欲に知識を求める僕もさすがに下半身で物事を考え 思考回路が股間なマスターに求めるものなど何もないのでスルーし
半ば無理やりマスターから教えてもらった事は
「すきっ歯は口笛が吹けない」
ええっ 自信満々で言った事がそれなの 引き止めてまで言う事かね
このカフェのマスターはすきっ歯だ3ミリほど前歯が開いている すきっ歯の方が言う事なので吹けないのだろう スキッパ!ゲローレ!
「あぁ そうなんや」
素っ気なく流し 明日の仕込みに取り掛かろうとする
「ヴィアン もしかして信じてないやろ まあ見とけって」
すきっ歯マスターの口笛実践が始まった
タバコのヤニで茶色の前歯の隙間から空気が漏れる ヒューヒュー
マスターは親譲りの歯槽膿漏で口が臭い 口臭について女子スタッフに相談された事があるほど臭い
確かに口笛は鳴っていない 空気が漏れるような音がしているだけだ
赤子を泣かすほどの口臭を持つすきっ歯野郎の鳴らない口笛
ヒューヒュー 臭っ!臭っ!
マスターの口から悪臭が漂う こんなにも酷い口臭なら口笛が吹けなくて良かったね 人を不快にさてしまう
「巨乳は肩甲骨がこる」
「すきっ歯は口笛が吹けない」
無駄知識なんて言わないでせっかく教えて貰ったんだ 1つは偽りの情報だったのでデリートしたけど 小さな知識の積み重ねは大切
そして僕はため息を一つ この田舎町のカフェからは叡智に近づく事はない と学んだ