2016年3月30日水曜日

ヤンキー達のヒエラルキー


幼い頃の力関係が大人になって逆転する事はよくある話

学生時代のヒエラルキー最下層に属していた人が社会的に成功し立場が逆転する 成功する裏には努力が有るし運も有る ジメジメしたスクールライフからの逆転劇 最高だ

でも社会的に逆転できても若い頃からの人間関係の逆転は なかなか難しい
 上下有る友人関係に属していた人達はさらに難しい そしてヤンキーグループのそれはさらに根深い
若い頃DQNグループに属していた厨房スタッフKは根深い友人関係ゆえに友人に「チンカス」呼ばわりされる Kは恥ずかしい垢扱いされても うつ向いて耐え忍んでいる ヤンキーの歪んだ上下関係は下克上がない限り立場が変わる事はな
可哀想だと同情する事なかれ 若き頃そんなグループで群れて人に迷惑をかけてきたんだから自業自得 懺悔するにはもう遅い

そしてこの店にも もう一人 人間関係で悩める男がいた それはこのカフェのマスターだ
友達という言葉を便利に使うヤンキー達の友人関係に頭を痛めてい
ジャイアンの「心の友よ」以上に軽い繋がりでヤンキーヒエラルキーは形成されている
「女 子供 小動物には強いんだ」と豪語するマスターはヒエラルキーの下層に属している
DQN達のヒエラルキーは喧嘩が強ければ上位に食い込む 社会的にカスでも過去の武勇伝で何とかなる そんな世紀末な所に属すマスターが悪いね

何時もマスターを悩ませている友人はお肉屋のT君だ
お肉屋のT君はヤンキーヒエラルキーの上位に位置している ビールジョッキで喧嘩相手の頭をかち割り 耳を半分引きちぎったり 田舎のスナックの安っぽい椅子で顔面をフルスイングで殴り20何針縫う怪我を負わせる ナチュラン・ボーン・バイオレンスなT君は北斗の拳の世界なら良い所までいけたんじゃないかな

暴力こそDQNカーストの本質 上層のお肉屋T君の言う事には下層のマスターはイエスマンに成らざるを得ない オールオッケーな首振り人形なマスター 友人と云うよりはロデム T君の忠実な下僕 オレ様イズムのT君の言う事はマスターにとって絶対だ

お肉屋T君はよくヤンキー仲間で集まりを開く バーベキューを仲間でやる DQN達のBBQこれはキツい マスターは行きたくないのだが毎回 強制参加 嫌でもYESだ

そして BBQに参加した次の日マスターは気分の悪い顔をしてコーヒーマシンに手を付きうなだれている 二日酔いかな と思うかもしれないが そうではないと僕は知っている
「昨日は何を食べた?」僕は訊いたがBBQに行ったのだから肉を食べたのはわかっている 何を食べたがが問題なのだ
顔をしかめマスターは言った

「豚のチンコ食べた」

何食べてるんだよアンタは いや何を食べさせられてるんだよマスターは
お肉屋T君が主催のBBQ 毎回マスターは得体の知れない物を食べさせられてる 今回は豚のペニスだ
お肉屋T君の言う事はマスターにとって絶対 「おい!これ食えよ!」と言われれば否が応でもマスターは美味しく頂かなれけばいけない そうそれが豚のペニスでも
DQN達のBBQ 毎回マスターは得体の知れない物を食べさせられてる 前回は鳥の睾丸だ

豚のペニスを無理やり食べされられて ご立腹のマスターは苛立ちを厨房スタッフKや不美人な女子スタッフに当たり散らす
世知辛いカフェは理不尽が横行してる

悲しい職場だ 豚ペニや鳥の金玉を食した口から出る 罵詈雑言を聞きながら僕はエスプレッソを飲み干した

次のDQN達のBBQ 僕はマスターが何を食べされられるのか楽しみにしている

2016年3月17日木曜日

トレイン トレイン


真面目な人 真面目な方 そう僕は呼ばれてみたかった 人生好き勝手に生きてきた僕はどう足掻いてもそう呼ばれる事は無いだろう

しかし人生は世知辛い 真面目な人が不真面目に負ける事がある そんな理不尽 でも「真面目であろうと努力するんだ」と真面目でも不真面目でも無く 下衆野郎に属している僕は思っている

誠実な人と見られたい 紳士とお思われたい 誰が僕のエロ中年というレッテルを剥してくれませんか

僕の真面目な知人の方々は恋愛に対して奥手な人が多い そしてドップリとハマる 恋は盲目それは良いと僕は思うけど恋する相手はよく見た方が良い 悪い所は誰だってある 良い所しか見えなくなっているなら重症そのものだからだ
恋にハマるのはいいとしても その中のエロスにベクトルが向いてハマり走り出したなら 真面目な人の性欲という名の列車は愚直に突っ走る そんな時にかぎってレールは悪い方に敷かれている 真面目で誠実であるがゆえ ブレーキのかけ方を忘れトップスピードで事故を起こすまで止まらない

恋愛の中のエロスにハマり 悲しい思い出を作ってしまう事は誰だってある
真面目な人だからそれで済んだんだ
僕のようなダーティな恋愛しかしてこなかった若い時の記憶は34才になった今でも黒い影を深く落としている 恥ずかしーい 忘れたーい


ネオン光る繁華街 酔っ払った男が三人いた それは僕達だ
僕と親友ヤマちゃんと友人のキザワくんが風俗店が大半を占める雑誌ビルの階段の前 セクシーキャバクラへ歩を進めていた
 
友人のキザワくんは真面目な人だ 文学青年でもあり 僕にマンディアルグやT・ゴーチェを教えてくれた文学のお師匠さんでもある

不良中年2人と真面目な人1人 珍しいスリーマンセルで魅力ある球体を揉みに行く
真面目なキザワくんはセクシーキャバクラに行った事がなく 今夜はキザワくんのデビューナイト
セクシーキャバクラ巧者のヤマちゃんは「可愛い女の娘が僕達3人に付けてくれなければ店を出る」と店員に条件をだした

薄暗いボックス席 正面に座るキザワくんは良い笑顔 隣に座るヤマちゃんは「可愛い娘やぞ」と店員に念を押していた
そして登場するセクキャバ嬢 僕の隣には可愛い娘 ヤマちゃんの横にはクリーチャーガール キザワくんの横にはオバサンが配置された 僕がオバサンと言うくらいなので年齢は察していただきたい

僕とヤマちゃんは顔を見合わせうなずいた「よし 店出ようか こんな乳揉めねぇよ」失礼な台詞と共にヤマちゃんは腰を上げた
出ようかとキザワくんを見てみると・・・
オバサンとディープキスをしていた 目をつぶり抱き合い濃厚なキスを交わすキザワくんとオバサン

ドリンクも頼んでいないのにキザワくんはトップギアでオバサンと絡み合っていた 激しく絡み合う二人 絡まった糸の様にもうほどけないのかなと思った
もう止まらない 止まるものかキザワくんはオバサンの乳首を激しく吸う 左右の乳首をむしゃぶりつく 真面目なキザワくんの剥き出しのリビドーだ

工藤静香ヘアーのオバサンのこげ茶色の乳首に吸い付くキザワくんを見て 僕とヤマちゃんはまた顔を見合わせ爆笑した そして店に居座る事を決めた

真面目な人のエロスに突っ走る姿の破壊力は凄まじい 普段との落差が威力をさらに上げる
オバサンとディープキス 抱き合う姿はオイルレスリング モンゴル相撲の様にも見えた こげ茶色の乳首への吸引力 ダイソンのCMからオファー来るんじゃないかな

ヤマちゃんは嫌な事や悲しい出来事があった時 キザワくんがセクキャバデビューをした夜の事を思い出し ネガティブな気持ちをファニーな気持ちに押し上げるようにしているらしい ヤマちゃんの心の清涼剤
その清涼剤は効力が抜群すぎて「葬式の時に思い出したらヤバイな」とヤマちゃんは言っていた

その夜の出来事をキザワくんと話してみた所 キザワくんは恥ずかしそうにしていた
恥ずかしがる事はない お金を払っておっパイを揉む 目的を果たしただけなんだから
また裸足のままで飛び出して揉みに行きましょうか ブルースを加速させながら

2016年3月9日水曜日

貧富の差と秘密基地

仕事終わりに実家に寄った その通り道 子供の頃によくいった駄菓子屋の前を通った その前には公園があって その裏の空き地の草むらに僕達の秘密基地があった 小学6年生の時の悪ガキ達の秘密基地

小学生の僕達は秘密基地に色々な物を持ち寄った エアガンにドラゴンボールのメンコやバットにボール 少年誌や漫画 今思えばくだらない物ばかりだったんだけど あの頃は学校帰り皆で秘密基地に集まり遊ぶ事が楽しかったのを覚えている

何事も始まったなら終わりをむかえる それは突然訪れた
宅地開発で僕達の秘密基地は一日で更地になった 生い茂っていた草はもう無くトラロープで囲われユンボと資材と盛り土の景色に変わっていた
僕達は少し戸惑ったけど「また違う場所で秘密基地でも作るか」とポジティブシンキングだった
しかし トウゲ君だけは悲しみに暮れ泣いていた 彼は秘密基地が無くなって泣いていたのではなく 秘密基地に置いてあった宝物が無くなったからだ それは雨に濡れカピカピになったデラベッピンと弓月 光先生のチョットエッチなコミック それとさとう珠緒のヌードが載った雑誌スコラを失ってしまったからだ
夏の日の夕暮れ 赤い目をした落ち込んだムッツリスケべなトウゲ君の横顔 忘れる事は無いだろう

僕にとっての秘密基地とは楽しくも切ないもの そう思わせた昔の思い出


先日 親友ヤマちゃんと友人オシゲと三人で焼き鳥屋で呑んでいた
「俺らで大人の秘密基地作れへんか 近くでマンションの部屋でも借りてよ」
ヤマちゃんは少し顔を赤くして言った
「そうやなぁ 皆で物を持ち寄って作りたいなぁ」僕はその発案にのった
「俺 ベッド持っていくわ とりあえずこれでなんとかなるやろ」オシゲはなぜか興奮気味だ
「冷蔵庫あったら お酒も持ち寄れるしな」ヤマちゃんはノリノリだ
「そうやなぁ 皆で集まって鍋でも出来るしな ネット環境も欲しいな」鍋パーティなら調理師の僕も活躍出来る
「女の子も連れ込み出来るし 最高やな」オシゲはニヤニヤしている
そうキャバ嬢キラーと称されるオシゲちゃんは一人だけ 秘密基地をラブホテル替りに利用しようとしていた
「マンションの家賃の事なんやけど ヴィアン金ないから一万円でええよ」
焼き鳥を食べながらヤマちゃんが言ってオシゲちゃんはウンウンとうなずいた

親友ヤマちゃんと友人オシゲちゃんはお金持ちだ そして僕はエロだけが取り柄のしがない調理師だ

親友と友人の貧富の差を考慮しての優しさ
大人の秘密基地 それは僕にとって作る前から
ありがたいやら情けないやら悲しいやら