2015年6月26日金曜日

Italianhouse in rock


先日 誕生日プレゼントに敬愛してやまない 吉井和哉さんのベストアルバムをいただいた。嬉しい。
僕の中でトム ウェイツは神様でデヴェンドラ バンハートは尊敬の対象 そして僕はイエローモンキー チルドレンだ。
好きなアーティストを挙げると山のようにいてるので割愛します。
数十年前の曲は今でも僕の中で鳴り響いています 名曲は色褪せず 僕にいつも心の起伏や安定 激情や優しさ 感情を乗せて聴ける。 希望の歌や悲しい歌も欲しがる僕を満たしてくれる ありがとう大好きなアーティストの皆さん 僕は汚れているけれど腐ってはいません 良い笑顔で笑えてるはずです 多分。

しかし高校生の女子スタッフに僕のスマイルが何故かエロチックと言われました コレは根本的な僕の問題点ですね エロスは僕の知らぬ所で顔を出すみたいです。

友人のイタリアンを経営しているFから連絡が有った 「店でシンガーソングライターがライブをするから来て欲しい  来る人いてないから」
僕は気だるい声で「そいつに人呼ばしたらええやんか 行かないあかんか?」
「頼む来てくれ ほんまに誰もいてない」頼まれたなら仕方ない 僕は行くことにした。

事の経緯は Fの店に突然 電話がかかってきてライブをやらせて欲しいと懇願され Fはそれを了承した そのシンガーソングライターは無名の歌手だ 人など呼べるはずもなく 友人Fは集客に必死になっていた 知り合いに頼んで来てもらうイタ飯屋でする無名の歌手のライブ どうなるかは僕には予想がついた。
開催時刻 僕は律儀にもイタ飯屋の席に座り ハートランドを飲んでいた 店内は満席でFの努力が現れていた Fが挨拶をしてシンガーソングライターが登場した 長髪に黒いサングラス軽いトークをして歌い始めた。
カーペンターズにイーグルス カバー曲ばかりを歌っている 歌のチョイス古いよね トークも上手くないし そして歌唱力も良くはない。

僕はFの集客を助けようと親友Y呼ぼうとしていたが 呼ばなくて良かった 親友Yは暴言を吐くタイプの人間なのでこんなライブに来ていたら グラサンシンガーの批判 誘った僕に対する愚痴 そしてイタリアンFへの暴言を聞かなければいけない所だった 危ない危ない。

他の客はスマホを触りだし 世間話に華を咲かす中 グラサンシンガーはプレスリーの愛さずにはいられないを歌いだした。
ロカビリーは好きだ ジーン・ヴィンセントのビーバップルーラでも聞きたいね。
ちょっと待てグラサンシンガー プレスリーをリスペクトして歌おうよ 「愛さずにはいられない」をグラサンシンガーはアレンジして歌っている なんだかラップ調だ 酔っ払いのしゃっくりみたいだ 名曲の改悪 僕は煮えらずにはいられない。
そして やっとこさグラサンシンガーはオリジナルソングを歌い出した 僕は題名なんか忘れたけど その歌は彼女と高級しゃぶしゃぶを食べに行って嬉しかった楽しかった事を歌うしゃっくりフォークメロディーソングだった。
ヴィアンビス・プレスリーは呆れらずにはいられない。

幼い頃 僕は少年野球クラブに属していた 上手いチームメイト 才能ある友人 期待される同級生 僕は幼心に悟った僕には野球の才能が無いんだと どんなにプロ野球選手に憧れてもプロには成れないと。
才能ある友人は野球の名門高校に入場したが甲子園には出場できず プロ野球選手には成れなかった プロフェッショナルの入り口は狭く やはり厳しい。
自身で歌手だと言おうが人に認めて貰わないと話にならない しゃぶしゃぶの歌を熱唱してもやはり他人の心には響かない オーディエンスは厳しい そしてグラサンシンガーが伝えたい事がわからない。

僕は悲しかった グラサンシンガーより歌唱力の有る人間はごまんといる そして才能ある若い世代が未来を進んでいる 才能無き40才を越えた男の夢を追う姿をみて 僕は悲しまずにはいられない。
グラサンシンガーは盛り上がらない観客を直視し 冷ややかな他人の目と向き合わなければならい 前を見るふりなんか誰でも出来る 才能無き自分を受け入れなければならない。
中年の自己満足の歌声を肴にグラッパで酩酊間近 悲しい気分で僕は帰路についた。

嫌な気分を落としたく少し熱いシャワーを浴びて 浴室の鏡の前 もしかして僕は爽やかなイケメンじゃあないかなと鏡を見たが 暑苦しい濃い顔のアラブ人の様な僕が裸で立っていただけだった
 そう僕も自分を受け入れけらずにはいられない。




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