MEN.S美学

ラフシモンズのカットソーは６月には肌寒かった 水溜まりのおかげでレペットはビショビショ ジメジメした空気がOnimeganeを曇らせた ボルサリーノを深くかぶり ジタンを燻らせタリスカーを流し込み 僕は馴染みのバルを後にした 

今夜はあの娘に会う予定 スラリとした鼻筋にディオールの眼鏡が良く似合うんだ 少し笑みを浮かべながら車を走らせた 80年式のクラウンは心なしか調子が良さそうだ,,,,,,

嘘です 悲しい嘘だ
服は似合ったら良いし 吸っているのはハイライト  靴はステイシーアダムスに浮気しそうだし スコッチではなくバーボン派 角目４灯のクラウンは３ヶ月で廃車にした もちろん今夜 異性と会う予定はない
こだわり有るライフスタイルは偽りです。

しかし 良い物見つけましたよ Onimeganeです この眼鏡凄く良い 最高の音楽を聴いた後 素晴らしい映画を見終わった感じさせてくれますこの眼鏡 僕にとっては。
あと何個かは買うでしょうねオナガさんのOnimegane。
眼鏡は人相の悪い僕をもやかして インテリジェンスをアップしてくれる外見だけは。
眼鏡にこだわる男 タケシ  ヴィアンそう言える逸品です。

やはり男の子に生まれたならば 男の美学 こだわりの有る男に成りたい 一流アスリートのジンクス 博学な文化人のルーティーンのような特別な何かが僕も欲しいのである

 しかし僕という触媒を通してしまうと凄く良い事でも安く聞こえてしまうのもわかってる でも僕はこだわりたい。
この文を書いていて 僕のこだわりを考えて ふと浮かんだのが１つ有った
それは「レンタルビデオショップでアダルトビデオを借りない事」だった。
情けない 30を過ぎた男のふと出たこだわりがコレだとは ほんとうに情けない 恥ずかしくて借りれないだけじゃないの？とも思われかねない コレはこだわりじゃあ無いと
僕は今 自分自身に言い聞かせている 自分が納得するこだわりを探さないと。

やはり他人のこだわりも気になるもので 手始めに厨房のスタッフKにこだわりを訊いてみた所
「便意は極限まで我慢して排泄する」
「インスタントラーメンはスープが無くなるまで麺に吸わしてから食べる」
「車の運転で細い道では対向車に道を譲らない」だった。
訊かなければよかった サザエさんの次回予告の３本立てのようにサラリと言いはなった 得意気な顔で。

こだわりを探すどころか この厨房には駄目人間が二人居てるという事を再確認しただけだった。
「こだわりが無いのがこだわり」

 当分この言葉で誤魔化して いこうと決めた６月の夜 まぁ説明はできないけどね。