2016年12月14日水曜日

作戦名 焼肉



「気の迷い」「妥協」「出来心」「自暴自棄」な行動の後に来るのは後悔の方が多いような気がする

僕の経験上それが異性との性的な事柄なら 次の日 屋根を仰ぎ呻き声を上げるほど自責の念にかられ 後悔に身悶える負の思い出が出来上がる
寂聴フェイスに怖気づきエレクチオンしなかった僕の桃色の夜の虚しい出来事の様に


僕の友人イケッチは男前で若い頃から異性からモテモテだった
中年男性になっても色男は継続しており濡れたシャツを着替えるように女性を取っ替え引っ替え 多数の異性と関係を積んでいる

先日 イケッチから電話がかかってきた 彼の声はまた暗かった イケッチを財布を落とした時の様な重い声にさせたのは先週の土曜日の出来事が原因だ
土曜日の夜 色男イケッチはスマートフォンの電話帳から今宵の相手を物色していた お目当ての綺麗な女性は捕まらず 狙っていた異性と桃色の夜は叶わなかった

ヤル気だったイケッチはムラムラ そしてお目当て女性に会えずイライラしながら 一人の女性に電話をかけた
その女性は中途半端な容姿をした年配のオバサンだ 性欲に負け 夜を過ごすパートナーにオバサンをチョイスした
スマートなイケッチはスマートにオバサンをベットへエスコート インサートの準備オッケーだ
イケッチがオバサンのパンツを脱がした時 その時 事件は起こった
脱がせたオバサンのパンツに糞が付いていた
「普段やったらあんなオバサン抱けへんのに なんで糞付いたパンツまで見らなアカンのや 死にたい 死にたいよぉ」
イケッチは苦しみを吐露した
性欲を吐き出す為にファックしたくもないオバサンと夜を共した男の末路だ
ムラムラして気の迷い 妥協してオバサンを抱いて悲しい思い出が出来上がった

まあ自業自得なんだけどね


昨夜 親友のヤマちゃんから電話がかかってきた ヤマちゃんはひどく酔っ払っていた 僕は長年の付き合いからどのような要件か検討がついた
マリアッチを呑んで酔い 会社の悩みの話だろうと僕は思っていたが今回は違った
「トモちゃん 焼き肉行くの一緒について来てくれへん?」だった
トモちゃんとは一重まぶたで ふくよかな女性で婚活中の女友達だ
「いや 行けへんよ 二人で焼肉へ行っておいでよ 君ら仲良えやん」僕は断った
「焼き肉ついて来てくれよ ヴィアンに頼みがあるんや」
酔っ払って滑舌が悪くなったヤマちゃんのセリフに僕は違和感を覚えた
ヤマちゃんは「焼き肉」とは言っていなかった 「抱きに行く」と言っているように聞こえたが そうも言ってはいなかった
「抱き肉」と言っていた 最低だ 女友達を「肉」呼ばわりしてやがる

酔っ払うと性欲がアップし異性と関係を持ちたがるヤマちゃんはムラムラした性欲の捌け口をトモちゃんで発射しようとしている

「ヴィアンへの頼みはな トモちゃんを貶してくれへんか コンプレックスを言い腐して傷付いたトモちゃんを俺が慰めるから 弱ってる所を突くのはハンターの鉄則やから」
誰だって悪い所はある 悲しいかなトモちゃんには沢山コンプレックスがある そんな女性を貶せとな
僕には無理だ 女性には優しくがヴィアンイズムだ
「ヤマちゃん焼き肉じゃなくて 抱き肉って言ってるやろ?トモちゃん貶すなんて出来るわけないやろ」
トモちゃんそんな貞操観念ない女性じゃないからね

「そうヴィアン オペレーション抱き肉や!」
「デブ専を知るために踏み出すのだ!ゴルフボールを吸い込む口だぞ!」
「デブ専の顔をしろ!デブとヤル時の顔だ!」
「肉の敷布団に寝転びたくないんか!」
「肉ノ揺り籠で睡りたくないのか!」
酔っ払って性欲がヒートアップしたヤマちゃんが軍曹口調で畳み掛けてくる
「Sir,yes,Sir!」なんて言うわけ無いだろ

あんなにも不美人に厳しい男が酔っ払い抑えきれない性欲で自暴自棄になり身近な女友達で満たそうとしている

「オペレーション抱き肉」
その事を僕はトモちゃんに伝えようと思う
ヤマちゃんのトモちゃんに対する暴言をトモちゃんに一言一句伝えよう

彼らの友情が壊れるだろう 壊れる方が良い 抱き肉しようと食べようとする奴がいて 食べられてしまう前に

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