論理納得論考

僕という人間が純愛を語ったら大変だ どんなに良い言葉を吐いても 滑稽に映る 若き日の恋愛を思い出すとそう思う。
それは仕方ない 行動が示してくれている 動けば結果が付いてきた。
受け入れなければならない そして考察してみて反省しても後悔はしない それが僕。
こういうタイプは何を言っても駄目だ しかし僕は身の程を知ろうと反省し口を紡ぐ。
阿呆の発言は滑稽を招くのである。

若い時の恋愛はろくなものではなかった 快楽の為に裏切ったり 異性の涙の意味を少しも理解せず 都合の良い言葉で過ごした年月だ 僕が駄目だった為に深く恋したつもりでも浅い  純粋に一生懸命に恋愛をした人達がプラトニックな愛を語れるのである。
10・20代はダーティな恋愛の経験しかない タケシ・ヘンドリックスの恋愛のエクスペリエンスはthe cry of loveだ。
僕みたいな人間がプラトニックラブを語る事は出来ない フワフワ羽毛みたいに軽い 説得力が無さすぎる。
「汚れた恋愛の事は明晰に語らえれうる。純愛の事については タケシ ヴィアンは沈黙せねばならない」
ヴィアントゲンシュタイン(1889~1951)

以前に就職活動に勤しむYちゃんという大学生のスタッフが店で働いていた。Yちゃんは真面目な子で高校の成績は評定平均値4.7 秀才だ。(備考・爆乳 巨尻 容姿は普通 )

「ヴィアンさん 先日 最終面接までいきまして お祈りメール届く恐怖に怯えてます」怯える素振りもない笑顔でYちゃんは言った。
「Yちゃんは仕事もよく出来る 真面目に学校も行ってたし きっと就職出来るよ 」大きなおっぱいを一瞥して僕は言った。
「競艇?評定平均?なにそれ?」厨房でフライヤーの掃除をしていたKというスタッフが話に入ってきた。
僕は軽くその質問を無視した Yちゃんも同じく。
「東京の会社が一番働きたいんです SEなんですけど私そこ就職したいんです」Yちゃんは僕に笑顔で希望を語る 若さには夢が有る良いね。
「企業は卒業した大学で採るか採らないか決めるから Yちゃん頑張ってもっと良い大学行ったら良かったのに 今の大学やったら厳しいんちゃうかな」KがYちゃんに助言した。
「あっ はい,,,」Yちゃんは鋭い眼をして苦笑い。

Kの学歴は工業高校を中退し定時制の高校を５年かけて卒業して 手を挙げると誰でも入れる専門学校を卒業した そして今はしがない調理人だ。
「専門学校卒業やけど短大卒の扱いになる」とKが自慢気に高校生のスタッフに語っていたことも有る。
ちょっと待て Kは恥の感情を持たないといけない 糞みたいな学歴 阿呆の証明 そんな人間がYちゃんに対して就職活動について横やりの言葉を言う資格は無いのである。
説得力が皆無だ 言葉が無責任だ アホが上から言う助言は滑稽だ。
その日からYちゃんはKの事を汚物を見るような眼で見るようになった。

左官屋のS君と知り合いの居酒屋で出会った 左官屋を経営してると言うが従業員は０だ。
カウンター席の隣りだ 話したくもないのに話かけてくる。
「ヴィアンよ 俺がヴィアン位の年齢の時は呑みになんか行ってなかったぞ 呑みに行く金あったら 子供に何か買ってやろうと思ってな ずっと家にいたわ 子供は絶対に大切にせなアカン。」
なにこいつ いきなり説教か?アホの回転説法は嫌いなんだよ僕。
S君はバツイチだ 離婚し嫁に子供連れて逃げられたのも知っいてる。
「ほな S君は養育費 いくら払ってるん?」さぞかし大金を払ってるんだろうと僕は訊いた。
「養育費は払ってない 仕事の事で色々 金も必要やからな。 」さらりとS君は言った。
嫁さん逃げて正解 S君を選んだのは間違い。Sは駄目だ 子供事を語る資格は無いね 僕に何を言いたいかすらわからない。

不機嫌そうな顔になる僕 今夜は不味い酒を呑む事になりそうだ。

カウンターの端で土建屋の社長が男の生きざまについて声をあげた。
「男はな金を稼いでなんぼや ええ車乗って ええ服着て ええ女と連れるんや なぁヴィアン?」
何故に僕に訊く そんな事 お前の思うように生きたらいい 僕は僕の考えがある 同調を求める位の考えなら考え直した方がいい。
お前の土建屋は従業員は息子だけで 毛玉だらけのモスグリーンのセーター 灰色のスラックスを着込み 古いセドリックに乗り ド派手な化粧をした下品な伴侶 それが土建屋社長の現状だ。
そんなヤツが言う台詞じゃないね 成功者が言う台詞だ そうなるように生き そうして来た人間の言う台詞だ。
重みがない 僕を納得させる事は皆無だ 説得力がまるでない。
先ずは色褪せしたモスグリーンのセーターを脱いでから話そうか。

巨乳好きを公言し貧乳でお尻が大きな娘と結婚するヤツもいる。
学力が無いのに賢い大学生に苦言を発するヤツもいる。
子供に対しての愛を語り 嫁と子供に逃げられ 養育費も払ってないヤツもいる。
自身が思う男の美学を語り 何一つ達成出来てないヤツもいる。
無責任過ぎるね 言葉が軽すぎる。
僕でも語れない事には口をふさぐのに,,,

貧乏な僕は
「お金?人生に勝ち続けたら付いてきたオマケみたいなもんだ。」この言葉に重みを持たし 人を納得させる男に成りたいと思う今日この頃。