2015年7月30日木曜日

Cock Cheese ブルース


僕は人から何かを頼まれたら出来るだけ断らずにしている 少し面倒な事でも 困っているなら助けになろうと 悩みがあるなら聞こうとしている。
でも たまに厚かましい頼み事をぬけぬけと言う 厚顔無恥な人種がいる
 その人種達の頼み事は迷惑でしかなく僕は「そんな事 頼める間柄違うやろお前」と一刀する 冷たく感じるかも知れないが 厚顔無恥な人達はすぐに増長する傾向にあるので ザシュザシュと切っていかなければならない ブリトバ・ヴィアンここにありだ 。

先輩や後輩 隣人や同僚 少しの接点 社会に属している限り 人の付き合いはある 只の知り合いが「友達」という言葉を便利に使い ぬけぬけという頼み事や横柄な対応。
お前の物は俺の物 「ジャイアニズムの継承者」「俺様キャラ」「勘違いリーダー」「間違えた縦社会の人」はどこにでも居てる 心の友よを間違えて使う人達が 。

今日は日曜日なのに暇で 店内はまったりとした時間が流れてる イタリアンを経営している友人Fがカウンターに座り カプチーノを飲んでいる 「最近 エスプレッソのクレマの量が少ない」というイタリアンFの相談を受けていた。
僕はペティナイフで林檎をサクリサクリ「珈琲豆の焙煎の日にちは・・」はと言う言葉を遮り 厨房のスタッフKが慌てながら言った「ヴィアン君 小麦粉に虫が涌いてる メチャクチャおる」
小麦粉は25キログラム 大量だ そして大量の虫 原因はKが小麦粉が入っている容器の蓋を閉め忘れ 虫が発生した。

そして 隣でアイスコーヒーを飲んでいた この店のマスターの説教が始まる Kに対する怒号が飛んだ。
怒るマスター 間違えた愛の鞭 説教 暴言 侮辱の鞭がKにビシビシと降り注ぐ。
暴言説教の鞭はまだまだ止みそうにない 鞭の雨が降り注ぐ中 イタリアンFが口を挟む「何やっとんじゃ!このチンカスがぁ!チンカス野郎が!」
僕は驚愕した この店の部外者が突然 怒号を発した事にではなく 人が人に対してチンカス呼ばわりしてるのを初めて聞いたからだ 僕は驚愕し そして爆笑した。
しかしチンカスは酷すぎる 「チンカスはアカンで K可哀想やわ 言いすぎやぞ」僕はなぜか激昂するイタリアンFに言った
「そうか じゃあチンカス王子でええやろ きっちり仕事やれよチンカス王子!」イタリアンFの暴言は止まらない。
イタリアンFは少し気を使ったのだろうがチンカスを王子にしてもチンカスはチンカスだ 垢をプリンスにしてもカスはカスだ。

僕の酔っ払うと裸族になる親友Yと友人のOはイタリアンFと共通の友人だ イタリアンFのKに対する暴言はエスカレートしていく「Kお前 次に生まれてくるんやったら YかOどっちのチンカスになるか選べ」もう訳がわからない

剥けムケ先生の僕を含めなかった事は正解だが そんな輪廻転生の質問を人に投げ掛ける事自体 間違いだ。
温厚な人間でも激怒するようなイタリアンFの罵倒をKはうつ向き何も言わずに耐えていた
そうイタリアンFと厨房のスタッフKとは十年来の知り合いで 先輩と後輩の仲だ 若い頃の力関係は根深い そしてヤンキー系のそれはさらに深く 付き合いがある限り続くのである 先輩と後輩の友達関係は。

約十分 マスターからの説教の鞭 イタリアンFのカウンター越しの罵倒の嵐 カプチーノを飲み干しイタリアンはスッキリとした顔で店を出ていった。
僕はKの顔を見た 眼がウルウル 顔が真っ赤 少し小刻みに震え泣きそうだ それはそうだ包茎男性の包皮の恥ずかしい垢 恥垢呼ばわりされたら屈辱だ しがらみという名の友人関係の下 KはイタリアンFの暴言を堪え忍んだ。

イタリアンFが帰り 厨房のスタッフKが涙を押し殺し 溢れる感情を言葉にのせて吐き出す そうイタリアンFに対する恨み辛みを ただの陰口を。
Kは夏風邪を引いていて 泣くのを我慢しながら恨みを漏らす 甲高くしゃくり上がり ロバート・ジョンソンの声にそっくりだった
本日 厨房にロバート・K・ジョンソンが誕生した
むせび泣く男のブルースだ Cock Cheese Bluesだ 薬指の絆創膏がボトルネックに見えるくらいの熱演だ
 灼熱の厨房にロバート・K・ジョンソンのブルースは響き渡る。

僕は優しい 厨房スタッフKの嗚咽混じりのブルースを聞いてあげている 本当は聴きたくないんだけどね。

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