2016年4月29日金曜日

ダメな業者と食いしん坊な彼


粗野で野蛮 居丈高に喋り 無茶な注文をするマスターは「業者の事を人間と思っていない」と言われるくらいだ

悲しいかな引き寄せの法則か このカフェとの関わりのある業者は
残念な人が多い はっきり言うならばアホが多い 怒られるには訳がある
きっちりと仕事をこなすのは めいらくグループのヤマモト君くらいだ
 
先月 店のフライヤーが壊れた 油の温度が上がらない 揚げ物が
提供できないランチタイム 朝に修理業者を呼んだが「すぐに向かいます」と言ったがランチタイム終わりにもまだ来ない

夕方 のこのこと修理業者が「遅れました」の一言と共にやってきた
「遅れるんやったら 電話の一つでもかけてくれよ」僕は少し苛ついていた
「すいません 先に1件修理に行く所あったの忘れてまして」修理業者は謝りながらフライヤーを点火した

10分後 油の温度が上昇した頃に
修理業者が僕の所に来て言った
「すいません 油の温度測る 温度計忘れてきました」
「お前 ここへ何をしに来たんや!」さすがの僕も怒る
「でも こんな場合はサーモセンサーが壊れている時が多いのでセンサー交換したら大丈夫だと思います」
「ほな サーモセンサー交換してよ それで治るんやろ」僕は心を落ち着かせて言った
「油が熱いので無理です センサー交換は無理です 持ってきてるんですけどね」即答する修理業者
「フライヤーの油 捨てるわ 僕が油抜いたるから 熱が冷めたらセンサー交換できるやろ?」
「いや 無理です」
「えっ?修理に来たんやろ 修理してよ」僕はたぶん眉間に皺が寄っていたと思う
「冷めるまでに時間かかりますやん もう5時ですしね帰らないと」
フライヤーに点火し 温度計を忘れサーモセンサーが悪く交換だと言ったのも修理業者だ すぐに向かいますと言って 夕方に遅れて店に来たのも修理業者だ
「修理はまた次回ということで今回は出張費用だけお願いします」ヘラヘラ笑う修理業者に僕はもう限界だ 滅多に怒らないタイプの僕の本領発揮だ
「フライヤー冷めたら交換出来るんちゃうんか 遅れて修理出来れへんのやったら違う日に予定組んだら良かったんやろが お前仕事する気有るんか・・・・」
怒る僕の声を遮り マスターの怒号がカットインする「お前 仕事辞めてまえ!こっちは保守契約の金払っとんねん!」
業者の事を人間と思っていないマスターの参入だ 1番怒れるタイミングで入ってきたマスターはネチネチ説教のプロフェッショナルだ 二人で泥試合をエキサイトしてればいい 怒るのは疲れる ボンバイエ!

先日 取引先の食肉業者が食品のサンプルを持ってきた 彼は横を刈り上げた短髪ピーターアーツリスペクトな髪型をしてるので 店の皆からピーターと呼ばれていた

残念ながらピーターは仕事のできない人種と烙印を押されている
配達時間を毎回30分から遅れてくる そして注文した品物を間違える事も度々 注文した肉を忘れる事も多々ある そんなピーター信頼なんか出来る訳がない

ピーターの持ってきたサンプルは僕が前に頼んでいた物だ 「生ハム」と「モルタデッラ」を注文していた
しかし サンプルを見てびっくりした ピーターの持ってきたサンプルは「焼豚」と「角煮」だった
マジかよコイツ カフェだぜここ 中華料理屋と間違えるんじゃないか そもそも思考が大丈夫か

僕はピーターの脳ミソの心配をしつつ言う「もうええわ この試供品持って帰ってよ・・・・」
呆れる僕の言葉を遮り マスターからのカットイン「焼豚と角煮 俺がまかないで食べるから置いていけ!」
食いしん坊なマスターの叫び声 ピーターを怒鳴りつけサンプルをマスターはゲットした
 
ピーターはやはり侮れない焼豚の試供品は真空パックが破れ 賞味期限間近で灰色に変色し悪臭を放っていた 人も物も腐ってやがる
「マスター焼豚食べるん?たぶん腐ってるでコレ」僕はしかめっ面でマスターに訊いた
「腹減ってるし食べるよ イケるやろ」マスターは皿に焼豚を盛りつけながら言った
僕は腐れた焼豚を食べるマスターを止めようとはしなかった 食い意地のはった挑戦者に諫言は無用だからね

マスターは腐った焼豚を食べ 次の日 全身ブツブツ蕁麻疹がでた ボリボリ肌を掻き毟り 厨房で悶絶するマスター

その日以降 マスターはさらにピーターに強く当たるようなり 汚い肌が更に汚くなった

食いしん坊なマスターが悪いのか ダメな業者が悪いのか アンサーの無いクエスチョンだ
どちらが悪いなんて考えたくないし わからなくていい

僕がわかるのは両方ダメという事だけ

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