2015年9月30日水曜日

お祖母ちゃん子なベイダー卿


先日 世間は大型連休でシルバーウィークと言うのですね 厨房で籠りきり外の天気もわからない位の社蓄の僕にはやはり関係なかった グレーワークは祝日ほどブラックに近づくので。

敬老の日 僕は亡くなった父方の祖父を思い出した 
沢山の思い出があるはずなのに真っ先に思い出したのは「かっぱえびせんと日本酒の剣菱」だった おじいちゃんはかっぱえびせんをつまみに剣菱を呑むのが好きだった お酒とつまみのイメージが強すぎる祖父
酒飲みのDNAは脈々と受け継がれてます 安心してください 呑んでますよ。
そして祖母に何か贈り物でもと思ったのですが 何もせずに過ぎていきました おばあちゃん子の僕なのに最低だ まったく僕らしい。

僕の親友Yもおばあちゃん子だ
親友Yのリビングの壁にはレコードが飾ってあり
左から トム ウェイツの「土曜日の夜」ワンダ ジャクソン ヴェルヴェット・アンダーグラウンド そしてスクリーミン ジェイ ホーキンス「Frenzy」と並んでいて 中々のお洒落な雰囲気を醸し出している。
ワンダジャクソンとスクリーミンジェイホーキンスのレコードは僕が世話になっている親友Yにプレゼントしたもので飾るくらいに喜んでくれたと嬉しく思っている ワンダ・ジャクソンのレコードは赤盤だ 大事にしてね。

おばあちゃん子の親友Yはスクリーミンジェイホーキンスのレコードの横に祖母の写真を額に入れて飾ってある
丸眼鏡をかけた 細身のしおらしい感じのする着物を着たおばあちゃんの写真だ。

キャバクラ帰り 友人Oと僕と親友Yが反省会と称し親友Yの家で酒盛りをしていた
親友Yは少し落ち込み 機嫌が悪かった お目当ての芸大生のキャバ嬢が先に友人Oにファックされていたからだ キャバ嬢キラーこと友人Oはキラーしてあたりまえだ仕方ない。
親友Yは悲しみのマリアッチを流し込み「Oの後は無理や」情けなさを呟く
「別にええやん 後からしても」友人Oは勝者の風格 パイオニアはスマホをポチポチ吐き捨てた。

酔うと脱ぎ出す友人Oはもう半分リプレイのジーンズから尻を覗かせている 半ケツ状態 酩酊間近だ。
トロンとした目で額に入れて飾ってある親友Yの祖母の写真を指さし言った「Yのおばあちゃん スターウォーズの金色のロボットに似てない そうやC-3POにそっくりや 金色に塗ったらおばあちゃん完璧にC-3POや!」
「アホかお前は!何がC-3POや!」おばあちゃん子の親友Yは激怒した。
それは怒る 大事に飾ってある祖母の写真を半ケツ状態の酔っ払いに指さし笑われたなら怒るのはあたりまえだ
亡き祖母をスターウォーズの金色おしゃべりロボット扱いされた親友Yのフォースは緑から赤色へ  シス友Yが誕生した。

フォースに導かれたように僕は壁に飾ってある写真を見てみた
あらそっくり 友人O発言はいい得て妙だ 金色にしたら完璧も頷ける  C-3POの型違いかと思うくらい
怒れるシス友Yの暗黒面に堕ちて行く様子を尻目に僕は爆笑した。

後日 親友Yの家に行くと額に入れて飾ってあった祖母の写真は撤去されていた。
それから僕はC-3POを見る度に親友Yの祖母を思い出すようになった 小さなと笑いと共に。
スターウォーズの新作エピソード7を映画館で観るときに思い出さないか心配だ
 映画館で笑いを我慢しているエロジェダイが居たらそれは僕 優しく身見守ってほしい。






2015年9月26日土曜日

ハートロッカー


僕は厨房の天井を見上げて呻いた 嗚咽にも似た か細い叫びだ
数年前の後悔の念が僕に呻き声をあげさせる
過去の思い出がフラッシュバックし僕が呻きをあげる

理由は高校時代の女の知り合いと飲み屋で出会い ノスタルジーを燃料にして夜のフライトに二人旅立ち ピンク色の宇宙遊泳 喘がし発射 朝日を見た日の出来事のせいだ。
簡潔に言うと昔の知り合いの女の娘に出会い 懐かしく妙に盛り上がりファックしただけの事です
「それなら別に良いじゃない ラッキーラッキー」等と思うことなかれ この話の大事な所は高校時代の知り合いの女の娘が瀬戸内寂聴によく似ていると云うことだ
妙にプライドの高い僕は ちょいヘチャ女とのファックを後悔している
酔っていたから ノリでなどは通用しない 後悔と股間は先には立たない 結果だけが残る そして時たまフラッシュバックし呻く後悔と。

その出来事を親友Yに面白おかしく報告した所 皆に言いふらしやがった 糞がぁ!
田舎町の噂は広まるのが早い 次の日僕に一本の電話が鳴った
それはリンゴ姉さんからだった 勿論リンゴ姉さんというのはあだ名で椎名林檎に似ているから呼ばれているのではなく ハイヒールリンゴ姉さんの方だ
リンゴ姉さんは田舎のホステスで元ヤンレディースだ
「ヴィアンよぉ Yから聞いたけどよ ブスとヤったんやって」ドスの効いたニューハーフボイスだ
「あんまり そんなんとヤんなよ ブスが調子にノルやろ 調子にノラせるな!」雌なのに雄の声だ 恐ろしい。
しかし 言い訳させていただきたい 瀬戸内寂聴にそっくりなあの子は高校時代 異性から凄く人気が有ったんだから。
ヘチャムクレとのファックは後悔が何年も尾を引くし チャンプロードレディーに恫喝される 自業自得だが危険だ。

僕の友人Oは男前だ 女性に良くモテる 父親は介護施設を何軒も経営していてお金持ちの息子だ そしてキャバ嬢キラーとの通り名をもっている
異性とのデートはマセラティで迎えに行き 馴染みの和食か高級フレンチかイタリアン はたまたアクアリウムリストランテ 次は馴染みのバーかBAL そしてスイスホテルでインアウト 夜のインアウト
友人Oの異性をおとすキラーシークエンスは成功率100%に近い

友人Oは数多の女性を手込めにしている 選びたい放題なはずなのだが彼女はパワータイプのライオネス飛鳥系女子だ お世辞にも可愛いとは言えない
「あいつは顔面ブスやけど心は天使なんよなぁ」と真顔で言っていたので美醜の区別はついているはず。

ハートロッカーな友人Oは凄腕の爆弾処理班のエースでもある
多人数や少人数のコンパや飲み会でいる不美人達。 美人を引き立たせる為の仕掛け爆弾を処理する
いいタイミングで連れ去り 二人密室で対峙し ピンク色の爆弾を爆発させる
これは無理だろと思うような爆弾を友人Oは尽く処理する その背中を僕は多々見てきた むしろ望んで爆弾処理をするふしがある
イケメンOに処理されてきた不美人達はいつも嬉しそうにしている

僕は嬉しそうに笑う仕掛け爆弾を見て 友人は処理と言う名の救済なのかと思う
爆弾処理をする友人Oの強靭な精神力が僕には必要なのかと思ったが 爆発を処理しなければ良いことだ
僕はフラッシュバックして呻くのが似合いだ。

解除された爆弾達よ 油断する事なかれ
 女性からモテモテの男前Oの周りにはいつも数人の女の影がちらついているのだから。

2015年9月22日火曜日

サマーヌードな聖なる地


「モグラは穴を掘って太陽を探している 時に地上にたどり着くが 太陽を見たとたん目は光を失う」
映画「エル・トポ」の冒頭の台詞である
憧れが目を焦がす そして光を失ってしまう。

僕はワクワクしていた 遠足の前日の小学生 はたまた中学生の初めてのデート前の様な訪れる期待を楽しみにしている
「何をドキドキして待ってるんだ エロ中年」等と言うことなかれ
来る9月26日 そう日本のホーリーマウンテン高野山でチャリーティコンサートが開催され 敬愛する吉井和哉さんが出演するからだ
それはそれは思春期から今の今までイエローモンキーファンの僕にとっては歓喜しかないのである
叫びまくるぜ!ロビーン!ヤバイぜロンスン!

僕の親友Yも同じくイエモンチルドレンだ 経営している理髪店を休み コンサートに出動する予定だ
建前上「友人の結婚式に出席する」と従業員に言ってあるそうだ
「もし機会が有れば 吉井さんなら尻の穴 貸してもええ そのつもりで行く」親友Yは前も後ろも隙の無い発言をしていた 興奮のベクトルは未知の方を指している

そして私 タケシ・ヴィアンは26日 休むのを保留にされている身だったりする
スケベで髭もじゃアラブフェイスの僕だが一応 厨房を任されている
僕が休むとなれば マスターは昼で店を閉めたり 臨時休業をする時がある そして二日分の料理の仕込みを頼んでくる そうなると僕がフル稼働のフル過労だ
土日は稼ぎ時だ  さすがの僕も休むのは気をつかう しかし今回ばかりは休ませていただきたい
身内を亡くならし告別式だと言い休むのは気がひけるし 田舎町だと嘘だとすぐにバレる
過去に働いていたサイコパスガールN山ちゃんは休日予定の日に店のスタッフが足らず 無理に出勤させられ「この店 火事にならないかな 誰が放火してくれたらいいのに」とサイコパス全開な発言をしていたが 紳士な僕はその考えには賛同できない。

吉井和哉 トム・ウエイツ デヴェンドラ・バンハート僕が生きている内に会いたい人達の一人がコンサートをする
ならば 行かなくては 仕事を休んでまでも そして幼い頃の登り棒 気持ち良かったかどうか訊かなくては 勿論 吉井さんなら気持ち良かったと言ってくれるはず

26日 僕は憧れに会いに行く予定
憧れが身を焦がし 僕は光を失う事はなくキラキラ輝けるはず

26日 僕は風邪をひく予定 ゲフンゲフン。

2015年9月19日土曜日

僕と幻想のフェチズム


昔に僕は文豪には足フェチが多いと教えて貰った事がある 文豪 谷崎潤一郎は足に対しての執着 性的な描写の作品まである
中上健次もそうだと言われたが「愛のような」があるから手首フェチじゃないのか?と 思ったが他人のフェチズムはどうでもよかった。

僕は小学生高学年の頃に飛行機に乗り 沖縄県へ旅行に行った
行きの飛行機の機内 美しいスチュワーデスさんが僕にジュースをついでくれた「ありがとう」とお礼を言おうと斜めに首を上げると
オレンジジュースを注いでいるスチュワーデスさんの半袖の隙間から腋が覗いた そこにはたわわに腋毛が生えていた サワサワと
幼かった僕はいけない物を見たように目をそらした そして何故かドキドキした 思春期前の性の芽生えだったのだろうか
二十余年前の出来事を僕は鮮明に覚えている
月日は流れ 僕も成長していく 映画「バルスーズ」で美しいジャンヌ・モローの腋毛を見ても何も興奮しなかった
過去にお付き合いしてきた彼女達の腋の綺麗なラインを見ても興奮はしなかった
多分 僕は腋 腋毛フェチではないと思う
モノマニアなフェチズムに満たされ得られるエクスタシー!
その恍惚一度経験してみたいと思ったが 快楽と誘惑に弱い僕は「人間をやめるぞぉ!フェチィイイイ!!!」ヴィアン ブランドーになり 太陽を避け 更に日陰の人間になりかねない
ノーマルで良かった まだ人間のカテゴリーに属したい。

昨年の秋口 少し肌寒くなってきた時の出来事 何時ものように出勤しエスプレッソをアメリカーノで飲んでいた すると食洗機の方から声が聴こえた
ボソリボソリ声の方に振り向くと小柄で痩せ細った女の娘が立っていた 小さな声は僕への挨拶だった
「今日から....働く事になりました.....川口です..よろしく....お願いします」
「あぁよろしく 伊集院タケシです 今日からよろしく」僕はスタッフとの初めての挨拶は偽名で行うという小ネタを仕込む なんの意味もないのだが。

「マスター 大丈夫かな川口さん 接客するの厳しいと思うで」僕は不安を口にした
「職安から来る奴 ろくなのおれへん 何がハローワークや!」マスターは少し怒っている
雇ったのはマスターだ 苛立つなら雇わなければ良いだけだ

川口さん短大生だそうだがかなり老けてみえた 化粧もせずノーメイク ガリガリに痩せスケルトン アンデッド系女子だった
僕の不安は的中し 一時間後ホールからマスターの説教というなの怒号が響いていた
女 子供 小動物には強いんだ と豪語するマスターは働く初日の女子スタッフにも容赦なしだ
「ヴィアン あれアカンな ガイコツよ」夕方にはマスターは川口さんの事を骸骨呼ばわりしていた
「一ヶ月位は見てあげないと 飲食店は初めてや言ってたし」僕はスカルガールをフォローする

厨房で僕は小気味良いリズムで玉ねぎをスライスしていた
ボソリボソリと横から声が聴こえる「ヴィアンさん....お皿...ここでいい..ですか?」
横を向くと川口さんが両手にお皿を持ち 上の棚になおそうとしていた スカルガールは背が低く両手を高く伸ばす そして半袖から腋が覗いた そこには腋毛が生えていた
ごま塩なら許せた ユラユラ昆布のように腋毛生やす事は許されない 羞恥心のない不美人は不快でしかない

僕はすごく気分が悪くなった 車に轢かれた犬の死骸をみたような
何なんだよスカルガール スウェーデン人に憧れてるのかよ
剃ろうぜ そして化粧もしようぜ。
幼かった頃の綺麗ではない思い出が汚れた気分 性的なフェチズムには恥じらいや美しさが必要だ
あの美しいスチュワーデスと機長がお付き合いをしていて 羞恥プレイの一環として腋毛を剃らずに勤務してたとしたら なかなか機長センスあるね
そんな下衆の勘繰りができる人間に僕は成長しました
今の僕ならドキドキしないね
そしてドキドキもされないね 悲しい。

2015年9月12日土曜日

不死鳥ヴィアン


老人ホームで働くOちゃんとコンビニで出会い 少し話をした
やはり介護職は大変らしく 毎日クタクタだそうだ そしてOちゃんは一人の老人の話を僕にした 偉業を成し遂げ余生を老人ホームで過ごす男性の話ではなく ドスケベな老人の話しだった エロ老人は女性介護士にセクハラ そして入居者の女性を口説く 施設の問題老人

Oちゃんの曰くスケベな人間は死ぬまでスケベ
「そういう人が一番疲れる」顔をしかめうなだれた。
僕はその話を聞いて 老後を心配した 私めも好色系サイドの人間 エロ中年だからだ
介護施設に入居し若く可愛い介護士に排泄の世話をされたとき時 嬉しさ半分 恥ずかしさ半分 性欲が渇れずに残り 勃起でもしてしまったら「フェニックスヴィアン」「シルバー性ント」「枯れ木」などの不名誉なあだ名を付けられかねない それは嫌だ
そんな事になるのなら僕は名誉ある死を遂げたい そして鳥葬して欲しい。

そして僕より 老後を心配しなくてはならない人を思い出した
それは勤務先のカフェのマスターだ  彼は性に対して貪欲で自称「絶倫王」だ
マスターは昔に酷い腋臭症のメンヘラ女とお付き合いをしていた
二人の休日の過ごし方は朝起きて一回 昼から夕方にかけて2回 夜から明日の朝にかけて三回 計六回はファックをするらしい
なぜ僕が知っているって?聞きたくもないのにマスターが教えて来るからだ 
僕はマスターという人間をよりクリアに理解してもらいたく 仲の良い女子スタッフに逐一 リークしている
女子スタッフの反応は「異常性欲者」「浮気してくれた方がまし」「もはや拷問」怪訝な顔で冷ややかな目線をマスターに向ける
しかしマスターは「七回越える時もある」と性豪アピール
絶倫王は人の目を気にせず突き進む

厄年を終え 45歳を迎えたのマスターは出会い系サイト&ソーシャルネットゲームを多用しネットの海を冒険する中年バイキングだ
そして出会い系サイトのプロフィールに似ている俳優の欄に「ブラッド レンフロ」と書くほどナルシストでもある
実際は映画「シン・シティ」のイエローバスタードによく似ている
遭遇してみてみないとわからない ネットは恐いですね

出会い系のパイレーツ キャプテンマスターは冒険譚を僕に語る ネットの荒波にもまれ見つけたお宝の話を「アヌスにトイレットペーパーの付いていたバケモノ女の話」「乳首の伸びきったアトピーの女の話」「松雪泰子を騙る松本明子似の巨体ヘルス嬢の話」船酔いではなく僕は吐きそうだ  彼のお宝は僕にはゴミだ

可愛い女の娘と体を重ねてきた僕にとっては忌憚で奇譚にしか聞こえない そして聞きたくないんだよね。
彼は明日 冒険に出る 出会い系サイトで見つけた地図を頼りに群馬県へとお宝を探しに 情報ではバツイチ子持ちの不美人だそうだ 性欲は近畿を越え関東へ マスターの性は万里を超えるのではなかろうか
マスターが老い  介護施設に入居したとしても彼の冒険は続くだろう 後悔の航海へ 面舵いっぱいだ。

ヨーソロー!いってらっしゃい。

2015年9月6日日曜日

詰まるところの劣化版


夕方 知り合いのおじさんが店に来た その人も僕も同じで極悪フェイスだ
そのおじさんはロシアの連続殺人鬼 チカチーロに似ている
いつもコーヒーとサンドイッチを注文する
容姿で可愛い娘は得をするのは当たり前だが 恐い顔の人が得をするのは本当に稀だ 損の方が多い
チカチーロおじさんの様に恐い顔でも得をするように 僕はサンドイッチに一品サービスして提供している 人相の悪い仲間として。
この店では可愛い娘より極悪フェイスの方が得するぜ 僕が厨房を任せれてる限りはね。

チカチーロおじさんの職種はシリアルキラーではなくガス屋の社長だ そして趣味は猟奇殺人ではなくて七宝焼きで講師にも成れる腕前だ 外見と違い 繊細で独特な色使いの作品を仕上げる ワイルドな見掛けからは程遠いキュートなブローチを造りあげる
そして 気は優しくてとても穏やかな性格をしている
人を見かけで判断してはいけない そして「赤い切り裂き魔チカチーロに似てますね」とも言ってはならない チカチーロおじさんのひきつった笑顔で恐怖に染まるからではなく チカチーロに似ていても喜ばないし不快しかあたえないからだ

僕も容姿に対して色々な事を言われる キャバクラの女の子には「山田孝之に似てますね」とよく言われるが 「いや 似てないよ」と謙遜する
そして真に受けてはいけない悲しいかなリップサービスだからだ 似ているのなら僕はモテモテなはずだ
名俳優 山田孝之より僕の方が年上だ 「山田孝之君ってヴィアン君の上位互換ですよね」が正解ではないのか この話は止めよう書いてて悲しくなってきちゃった。

前に女子スタッフN山ちゃんという子がいた プリンとお尻の可愛い娘だ
そしてF田ちゃんという子がいた 「じゃりん子チエ」のヒラメちゃんそっくりだった
仕事も終わりかけ 僕は厨房の椅子に座りエスプレッソと煙草を楽しんでいた
厨房で食器を片付けていたN山ちゃんがF田ちゃんを見て言った「F田ちゃん 前から思ってたけど上戸彩に似てるよね」
「ええっ」僕は思わず声が出た
F田ちゃんはニコニコ「上戸彩に似ているはよく言われます」
「はぁあ!」僕はまた声が出た 砂糖を混ぜていたスプーンを落としかけるくらいに驚いた
誰が言ったのか教えて欲しい 言った人は酔っぱらっていたか重度の近眼ではないのか
N山ちゃんに訊けばいいとの声が出るかも知れないが N山ちゃんはニコニコ笑顔の時も目が笑っていない サイコパスガールなので君子危うきに近寄らずだ
可愛いサイコ娘は有りかも知れないが僕には無しだ。

他人の意見も訊きたい F田ちゃんはヒラメなのか上戸彩なのか
それならば簡単 僕は親友Yと友人Oに電話をした「今 店の女子スタッフに上戸彩そっくりな娘が働いている」
次の日 親友Y 友人Oが来店した やっぱりね来ると思ってたよ 君達スケベだもの
二人揃って 店をキョロキョロ詮索している
「ヴィアン 上戸彩どこにいてる? おい」親友Yは帽子をかぶりなおすふりをしながら女子スタッフをチェックしながら言った
「あの娘や わからんか」F田ちゃんを指差し僕は言った
「おい!じゃりん子チエのヒラメやないか!」親友Yは声をあげた 親友Yはヒラメ派だ
「俺はイケるけどな あの娘」友人Oは言った
 ヤれるヤれないの話じゃない 似てる似てないかの話だ  今のところヒラメちゃん2票 上戸彩ちゃん1票 無効票1だ。

自我が有り自分が有る オリジナルワンだ
何々に似ていると言うのは気軽に言うのを止めにしませんか
時には人を傷をつけるし ブスを調子にのらせる時もある 可愛い女の娘が不美人に対しておだてるように使うと悪意が有るように感じるし 大の大人が騙され時間を無駄にし憤怒する場合もある
何時だって 男は騙されたら良いが その回数を減らす事も出来るはず
悲しげに店を出た 友人二人の後ろ姿を思いだしそう思った ゲラゲラ。

2015年9月2日水曜日

去りサーティ


まだ夏は続いている 僕には季節なんて関係なかった
 厨房での労働とのダンスは終わることはない 終わらせる事は出来るが 終わらせてしまうと無職のエロ中年が誕生してしまうだけだ 社会的にエロニートというジョブは辛い
僕に優しい季節をプリーズ 神様お願いします。
僕は神頼み すると有頭海老フライの油が跳ねた フライヤーからの灼熱の油が僕の腕にかかった 熱い熱い
わかりました 神様。 甘えるなという事ですね 人生の暖かい春はまだ遠い。

忙しい厨房では外が晴れか雨かさえわからないくらい激務だ 夏は一際忙しいので僕は夏を感じる事が出来る こんな季節の感じ方 したくないんだけどね。
激務な夏 また一人の女子スタッフが辞める 今日でさよならだ
9月に入ってもまだ店は忙しいのだか 僕は引き留めない 羽ばたいて行くのを見まもるだけだ

辞めたのは 前にブログに書いた アニメ声の女子スタッフNちゃんだ 受験勉強の為に辞めますと言ったが 僕には掛け持ちしている焼肉屋のアルバイトは辞めません と言っていたので やはりこのカフェのホール勤務は掃き溜めかもしれない Nちゃん 君は鶴ではない 飛び立ちたまへ 勝利の栄光を君に。

厨房のスタッフKは落ち込んでいた 財布を落とした時くらいに落ち込んでいた なぜならアニメ声Nちゃんが辞めるからだ
Kは女子スタッフNちゃんの事を凄く気に入っていた それは恋心にも似た感情だったのかもしれない
Nちゃんのまかないだけ他のスタッフより豪華につくるK
「皆 平等につくれよ!まかない つくるのも 練習になるんやぞ!」僕の説教も意に介せず しつこく豪華にまかないを作り続ける その度に僕に怒られ続ける「言うことをきけや! タボがぁ!」
お気に入りだからといってNちゃんを特別扱いするKも特別扱いされて喜ぶNちゃんも
そんな人間 僕は嫌いなんだ 周りのスタッフに悪影響だ
糞みたいな馴れ合い デレデレちやほや喋りあってるのを黙らさなければ 贔屓は良くない
静寂は簡単 僕はわざとゴミ箱を音を出して引っ張った 大きな音に振り向くスタッフ その先には眉間に皺を寄せた僕 沈黙は訪れた。

僕は黙々と明日のランチの仕込みを続ける ガクンと落ち込むKを尻目にスピードプレイだ Kはいつもよりトロトロじゃがいもの皮を剥いている
好きな女子スタッフが辞めるからといって仕事が疎かになるとかお前は馬鹿か
思い起こせばKがNちゃんに対する発言が危うかった
Kは熱く言っていた「Nちゃんは天使」
そんな良い美貌してないよ 40点位ですよ 女子高生なんて幼いやろ

「Nちゃんの食べ残し食べたい」
誰で在ろうが 食べ残しは残飯だ そんなもの食べたいなんか異常だ Nちゃんのまかないの食べ残しならKの料理が不味いと言うことだ

「Nちゃんのサラサーティになりたい」
ちょっと僕にはよく分からない サラサーティってなんだ?もういい 好き勝手言ってろ。

僕にはKの発言が不可思議だった 多分 思考回路が違うのだろう
「サラサーティ」僕はこの単語の意味が解らなかった エリエールとかティッシュの類いなのかと Googleで検索してみた 「サラサーティ」それはおりものシートの事だった
僕はしかめ面 ゾクゾク背筋に悪寒 物凄く気分が悪くなった 検索しなきゃ良かった。
Kの発想が気持ち悪過ぎる 下衆そのものだ サラサーティに成れる訳がないし そんな所に貼り付いてどうする。

この店の女子スタッフが辞める理由は8割がマスターの事が嫌いで辞める
しかし Nちゃんが辞める理由は厨房から聴こえたKの歪んだ愛の言葉に限界だったのかもしれない
辞めれば良い その方が身の危険を感じなくてすむ
人間をやめかけている厨房スタッフKからお逃げなさい。