2015年9月19日土曜日

僕と幻想のフェチズム


昔に僕は文豪には足フェチが多いと教えて貰った事がある 文豪 谷崎潤一郎は足に対しての執着 性的な描写の作品まである
中上健次もそうだと言われたが「愛のような」があるから手首フェチじゃないのか?と 思ったが他人のフェチズムはどうでもよかった。

僕は小学生高学年の頃に飛行機に乗り 沖縄県へ旅行に行った
行きの飛行機の機内 美しいスチュワーデスさんが僕にジュースをついでくれた「ありがとう」とお礼を言おうと斜めに首を上げると
オレンジジュースを注いでいるスチュワーデスさんの半袖の隙間から腋が覗いた そこにはたわわに腋毛が生えていた サワサワと
幼かった僕はいけない物を見たように目をそらした そして何故かドキドキした 思春期前の性の芽生えだったのだろうか
二十余年前の出来事を僕は鮮明に覚えている
月日は流れ 僕も成長していく 映画「バルスーズ」で美しいジャンヌ・モローの腋毛を見ても何も興奮しなかった
過去にお付き合いしてきた彼女達の腋の綺麗なラインを見ても興奮はしなかった
多分 僕は腋 腋毛フェチではないと思う
モノマニアなフェチズムに満たされ得られるエクスタシー!
その恍惚一度経験してみたいと思ったが 快楽と誘惑に弱い僕は「人間をやめるぞぉ!フェチィイイイ!!!」ヴィアン ブランドーになり 太陽を避け 更に日陰の人間になりかねない
ノーマルで良かった まだ人間のカテゴリーに属したい。

昨年の秋口 少し肌寒くなってきた時の出来事 何時ものように出勤しエスプレッソをアメリカーノで飲んでいた すると食洗機の方から声が聴こえた
ボソリボソリ声の方に振り向くと小柄で痩せ細った女の娘が立っていた 小さな声は僕への挨拶だった
「今日から....働く事になりました.....川口です..よろしく....お願いします」
「あぁよろしく 伊集院タケシです 今日からよろしく」僕はスタッフとの初めての挨拶は偽名で行うという小ネタを仕込む なんの意味もないのだが。

「マスター 大丈夫かな川口さん 接客するの厳しいと思うで」僕は不安を口にした
「職安から来る奴 ろくなのおれへん 何がハローワークや!」マスターは少し怒っている
雇ったのはマスターだ 苛立つなら雇わなければ良いだけだ

川口さん短大生だそうだがかなり老けてみえた 化粧もせずノーメイク ガリガリに痩せスケルトン アンデッド系女子だった
僕の不安は的中し 一時間後ホールからマスターの説教というなの怒号が響いていた
女 子供 小動物には強いんだ と豪語するマスターは働く初日の女子スタッフにも容赦なしだ
「ヴィアン あれアカンな ガイコツよ」夕方にはマスターは川口さんの事を骸骨呼ばわりしていた
「一ヶ月位は見てあげないと 飲食店は初めてや言ってたし」僕はスカルガールをフォローする

厨房で僕は小気味良いリズムで玉ねぎをスライスしていた
ボソリボソリと横から声が聴こえる「ヴィアンさん....お皿...ここでいい..ですか?」
横を向くと川口さんが両手にお皿を持ち 上の棚になおそうとしていた スカルガールは背が低く両手を高く伸ばす そして半袖から腋が覗いた そこには腋毛が生えていた
ごま塩なら許せた ユラユラ昆布のように腋毛生やす事は許されない 羞恥心のない不美人は不快でしかない

僕はすごく気分が悪くなった 車に轢かれた犬の死骸をみたような
何なんだよスカルガール スウェーデン人に憧れてるのかよ
剃ろうぜ そして化粧もしようぜ。
幼かった頃の綺麗ではない思い出が汚れた気分 性的なフェチズムには恥じらいや美しさが必要だ
あの美しいスチュワーデスと機長がお付き合いをしていて 羞恥プレイの一環として腋毛を剃らずに勤務してたとしたら なかなか機長センスあるね
そんな下衆の勘繰りができる人間に僕は成長しました
今の僕ならドキドキしないね
そしてドキドキもされないね 悲しい。

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