2015年4月13日月曜日

美声の証明


休日の不快な目覚め 喉が痛い 物凄く痛い 水分補給にも痛みが伴う 地獄だ。
自分のイビキが喉に響き 痛みで眼が覚めた 間抜けな朝。
おまけに仕事の夢を見ていた 夢の中でも仕事する 労働者の鏡ですね でも僕その夢見るの嫌いなんだ。

友人は夢の中で木目のテーブルに座り 大好きなカレーを頬張りテーブルの下で彼女にフェラーリしてもらう 睡眠 食欲 性欲 三大欲求を全て満たした 目覚めは最高だ。という話を得意気に話された事があったがそんな話はどうでもいい ただ喉が痛い。
喋るのも苦痛 腫れた扁桃腺のおかげでハスキーボイスになってる
一つ気がついた この声 僕の敬愛するトム・ウェイツの声マネ出来るんじゃないかなと 手始にcome on up to the house歌ってみた
あら そっくり 自画自賛 タケシ・ウェイツの誕生です
扁桃腺が腫れてる時 僕はトム・ウェイツになれる 嬉しい 。
しかし残念かなワンフレーズくらいしか歌えない 喉が痛すぎる 悲しい。

やはり声は大切だ 僕の友人 音楽センス抜群な髭U君はかなりな美声を持っている。
渋めな良い声をしている 大人の男性というような声だ。
一緒に外食しても店のスタッフに「良い声ですね」と言われるのを何度も目の当たりしている そして僕は「すみませーん 注文したいんやけど」が中々スタッフに聴こえない声 通らない声だ。

若かりし頃 髭U君はその美声を武器に舞台俳優 声優 役者を目指していた。と言うのは嘘で
ネットも出会い系サイトもない時代に 美声という武器をテレクラで使っていた。
それもどっぷり 喉が渇れ 高額請求の電話代がくるまで。
テレクラでテレホンセックスに明け暮れ たまに相手の女性と出会い 暇な時はレコードを漁るという新社会人生活をしていたそうだ。

やはり良い声は食い付きが良いそうだ そして出会うテレクラの女性達は美人かブスかどちらかで 両極端らしい。
「駅前で待ち合わせて 初めて会ってもわかるように服装とか教えてもらっとくやろ ブスやったらそのままスルーしたらええんや」が髭U君スタイルらしい。

髭U君は自身の声が良いのを理解してる 使い方は正しいかどうか知らないが。
美声に酔い テレクラにはまり テレホンセックスの快楽に堕ちていく,,,,,,
この僕の美声の記録を遺そう そう思ったそうでテレホンセックスを録音したそうだ。
そして今 その記録はCD-R数十枚となり自室のロフトに眠っているらしい。
「ヴィアン?一回聴いてみる?」と冗談ぽく言われたが 丁重にお断りしておいた。

髭U君にとってテレクラ遺産のCD-Rは過去の栄光の一部 美声の証明。
処分するのは忍びないらしく 廃棄はできないそうだ。
髭U君が亡くなった時 僕はテレクラ遺産の処分を託されている。

すっかり忘れていた僕は のど飴を舐めながら煙草を吸うという愚行をしながら 髭U君から託されている事を思い出した。

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